アメリカ

雨の匂いがしたフードトラック。『とうとう週1になってしまった。。』

Xでもつぶやいたけど、最近、フードトラックの出勤日を減らした。

今は、週1(4時間ぐらい)でしか入っていない。理由は、一緒に働いているマネージャーののメキシカンジョークがキツくなってきたからだ。

BOO
マジできついんだ。ボスのメキシカンジョーク。面白くねーし。くそぅ。
笑えなくなった瞬間。『これが最後のチェックだよ。』

メキシコ人って、人をからかう文化なのか?

いつもシフトに入っているマネージャーのメキシコ人は私をよくからかう。前にいたマネージャー(メキシコ人)もそうで苦労した。

その日、私は初めて、メキシカン上司のジョークに笑えなかった。前までは、適当にヘラヘラ流せていたのに、その日は無理だった。出勤して「おはよう」と言った瞬間、上司がニヤニヤしながら封筒を渡してきた。

メキシカン上司
はい。これ、最後のチェックね。
BOO
……は?
メキシカン上司
だから、最後の給料。キリッ。
BOO
(ああ、いつもの冗談か、)。。。無視。

いつもの冗談だ。わかってる。でも、その日は笑う体力が残ってなかった。何も言わずに倉庫に行って着替えた。

向こうの顔は、少し戸惑ってたように見えた。でも私は顔すら見ないで倉庫に行ったので覚えてない。

焦るメキシカン上司

倉庫で着替えた私に、メキシカン上司は、『どうした、今日お前大丈夫か?』と聞いてきた。まぁ、いつものリアクションがないのはビビるよなと思いながら、『うん、まぁ。二日酔いっところかな。』と言っておいた。ちなみに酒は、飲んではいない。

BOO
急な塩対応は、彼からしたらかわいそうかなと思ってごまかしておいた。

そういうと、彼の顔はパァと明るさを取り戻し『二日酔いでお前は仕事に来たのか!!ダメなやつだな。はっはっは!オーナーにチクっておこう!』と精気を取り戻したので、もう一度ビミョーな顔にしてやろうと『あと、生理もきて辛い。』ということで反撃しておいた。

絶妙なタイミングでいつもやってくる『奇跡のオーナー』

そんなことをやっているうちに、年に一度のパーティーでしか会えない幻のオーナーがヒョイと顔を出しにやってきた。オーナーはいつも、私が限界ギリギリのタイミングでやってくる。1年ぶりだ。彼は、神様なのか?なんかの使いなのか?

幻のオーナーは私に向かって、

幻のオーナー
彼(メキシカン上司)と働くのは楽しいかい?

と聞いてきた。私は即答できなかった。この沈黙は時間が止まっていた。。。そしてメキシカン上司の顔をまじまじと見つめて、沈黙したあと『うん。』て言っておくのが精一杯だった。

BOO
これが私なりの反撃。実にしょぼい。
メキシカン上司の繰り返される『餌付け』と『毒舌』

フートラ闘争頃から、メキシカン上司の下でほとんどのアメリカ人が辞めていった。今はスタッフの99%が手下の違法滞在メキシコ人たち。ガッツがあるメキシカンしかしない。12時間労働を絶えるのが普通の環境の中で、勤労4時間のみの適当ニートの私はその中に1%だけ混ざっている。

だからなのか、私は『残っている側』で、『どこか浮いている側』。はたまた、異色の手下?

彼の毒舌ジョークは、最初は冗談として流せていた。でも少しずつ、細かい指摘や、客の前での強い言い方が増えていった。気づけば、こちらも余裕がなくなって、変に張り合ってしまう。客の前でも険悪になる程、お互い余裕がなくなっていった。

リセットを繰り返す『タコス免罪』

そして、険悪ムードになった後は、彼がどこかからタコスを持ってくる。それで一度リセットされて、また元に戻る。

その繰り返し。

彼はメキシコの家族を養うため、何時間も働き続けていることも分かる。最近離婚し、降格までして、余裕がないのも分かる。でも、その“分かる”がタコス免罪符みたいにして、現場の空気を少しずつ歪ませてきた。私のメンタルが削られるように売り上げも落ち込んできた。

卒業はいつも突然である。景色が変わる瞬間。

ポートランドに住んでこの12年間。雨が降る前の匂いがわかるようになった。

『BOO、ここは、もう卒業に来ているんだよ。』

あんなに晴れていた空から、また、雨が降ってきた。

今は、彼と一緒のシフトをやめて週1にした。もう、きっと時間の問題だろう。

帰りの電話でもう1日しか働けないと言った時の『全然いいよ』の彼の強がりの声。『暇になったら、また戻ってくるね。』って言ったウソ。お互い、ウソをついて終わった。思い返すと彼とはずっとそんな関係だったな。

BOO
彼と笑って、またどこかでタコスを食べたいから、いまは離れる。

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