ニューヨークの高級ホテルに40年以上住み続け、82歳でひとりで亡くなっていた日本人女性が話題になっていた。
アメリカのメディア記事(以下参照)に取り上げられていたので紹介。
マンハッタンの高級ホテルに住む『謎の日本人女性』
その日本人女性は、マンハッタン中心にある『ベルヴェデーホテル』208 号室に住んでいた。
ベルヴェデーホテルは100年以上前に建てられ、時代の流れで所有者がなん度も変わったが、今でも観光客でにぎわう超高級ホテルだ。
そんな最高級ホテルに日本人女性『長谷川 ひさこ』さんが住んでいたのだ。
しかし、毎日彼女の姿を見た人たちにとっても謎のまま、死後も多くは明かされていない。
なぜ高級ホテルに40年以上も住み続けられたのか?
なぜ彼女は40年以上も間、高級ホテルに住むことができたのか?
そこには、昔の家賃のまま住み続けられるという法律がいまも残っていたからだ。
その法は今でも変えられていない。客は固定賃貸契約(rent-stabilized rooms)を結ぶと永久テナントとして住み続けられる。ホテル側は何十年経とうが一切値上げをできない仕組みだ。
以前のニューヨークには、長谷川さんのような独身者が住める手頃な価格の場所がたくさんあり、共用キッチンとバスルーム付きのアパートのような宿泊ホテルも多くあったのだ。
長谷川さんも40年以上も前にそのホテル契約を結んだとされる。
ベルボーイが発見した『82歳のベットでの孤独死』
2016年のある日、ホテルのベルボーイは長谷川さんが降りてこないことに気づき、部屋に確認に行ったところ、彼女は部屋で死亡していることが判明した。彼女は82歳だった。
捜査員の一人は、長谷川さんの家族や友人関係を調べていたが、長谷川さんのプライベートを知る人はおらず、誰とも一緒にいるところを見たことがなかったというのだ。
死後、長谷川さんはアメリカの公立の集団墓地に埋葬された。
礼儀正しい『日本人女性』しかし、彼女のプライベートは謎のまま。
長谷川さんを知るベルボーイは、長谷川さんの筆跡を覚えていて『詩のように美しかった。あんなものは見たことがない』と語り、長谷川さんを知る唯一の隣人は、『彼女が話しかけるのは私だけだったが、彼女は多くを語らず挨拶程度だった。』と語っている。
長谷川ひさこさんは1934年に日本で生まれ、70年代にニューヨークに来たと考えられている。彼女はホテルのスタッフの間でも好評で、彼女がショッピングカートを持ってロビーを歩き笑顔でスタッフに挨拶する姿があったという。
高級ホテル暮らしでも『老後は孤独でキツイ』
長谷川さんの隣人でもあり、長谷川さんと同じように大昔にこのホテルに移り住んだ女性はこう語る。
『何も知らない人はすごいね。街の中心部のホテルに住んでるんですね。というが、長年この狭い空間にうんざりしてている。結局のところ家族と友人がいることが幸運だと感じるが、長谷川さんのような一人ぼっちの年配の人がたくさんいるんです。』と語っている。
憧れるNYの中心部での高級ホテル暮らし。それが幸せだということでもないというのだ。
家族がいても子供がいても、誰もが最後一人になる可能性を潜んでいる。老後は自分から動かない限り、人との交流がどんどん狭まっていく。
その中で、いかに人と繋がっていくのか?を問われている気がした。