アメリカ

【マウイ島山火事】金持ちハゲタカに住民たちの土地を奪われてしまうのか?

8月 16, 2023

8月8日にマウイ島で大規模な火事が発生し、多くの住宅が破壊された。

そして、今(2023年8月16日現在)も住民や観光客は避難を余儀なくされているのだが、ここぞとばかりに不動産ハゲタカたちからの『土地を売ってくれ』のアプローチがすごいそうだ。

そんな状況に『マウイ住民の土地が開発者や金持ちによって奪われていくのではないか?』という住民たちの不安な声をAP通信などの各メディアが報じている。


[ 大規模な火事で、渋滞で動かず街から出れなかった人たちは火の海に飛び込むしかなかったマウイ島の人々のニュース ]

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以前から、マウイ島は、リゾート開発をしたい金持ちに目をつけられていた場所。今回の山火事で、ハゲタカたちに奪われてしまうのか。

マウイ島は火災前から住宅不足に陥っていた。


[ 壊滅的な被害にあった町、マウイ島ラハイナ ]

マウイ島の平均的な住宅の価格は約 100 万ドル(約1億前後)である。

なぜこんなに高額で取引されているのか?その最大の理由は、住宅の供給不足にある。

元々、マウイ島は、ホテル、リゾート、コンドミニアムの増加でリゾート開発化が進んでいる背景がありつつも、新しい住宅を建てるには規制が多く時間がかかるため、中古の家が高額で取引されているのだ。

また、コロナ以降には、アメリカの本土の金持ちたちが、別荘として住宅を買い占め現象が起き、住宅価格がさらに上昇したのだ。マウイ島には有名セレブの別荘地も多いのも有名な話だ。

マウイ島の住人は『絶対に土地を売りたくない。』


住宅が高騰するマウイの島で、長年マウイに住んでいる住人たちはこの現象をよく思っていない。

マウイの元住民は、自分たちの地域を大企業や富裕層が土地を買い占めて開発することを望んでいないのが実情で、『政府は開発は許可されていません。と言うべきだ』という声が多いのだ。

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マウイ島に昔から住む人たちは、何億つまれても自分の土地は絶対に売らない!!という人が多い。

山火事後『すぐに土地を売ってくれ!』とアプローチを始めるハゲタカ開発者たち。

 

 

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[ 家を失った家族に土地を売って欲しいと電話をかけてくる開発者や不動産業者にとてもイライラしています。と語るマウイに住む女性。 ]

なかなか土地を売ってくれない住民に対して、ヤキモキしていたお金持たちは、今回の山火事で絶好のチャンスとばかりにSNSなどを通して『土地を売ってくれアピール』をしてきているのだ。

現地の人の話では、被害から1週間も経たないうちに、不動産関係者や開発業者からの『土地の売買』の電話やメールが届き、何世代にもわたって住んできた家の取得を打診してきたのだそうだ。

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今、マウイの人が必死に避難所を見つけようとしている一方で、投資家たちは『チャンスがある。』とだけしか考えられない、いわゆるハゲタカでしかない。

ハワイ州知事が『被害の土地にたかるな!!』と異例の警告する事態に。

訳:私たちが悲しみ、再建する機会を得る前に、私たちの人々から土地を取り上げようとするのは『ポノ(ハワイの意味で本来の自然のあるべき状態)』ではない。

このハゲタカたちが群がる状況に、ハワイの州知事のジョシュ・グリーン氏は、マウイ島住民の土地を購入しようと接触した投資家や不動産業者に警告を発する事態となった。

さらに、グリーン知事は記者会見で、『山火事により被害を受けた不動産の売却を一時停止する選択肢を検討している。』ということも発表した。

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ちなみに、今回の山火事で2,200以上の建造物が焼失し、そのうち86%が住宅であるとも発表。

『焼かれた家を立て直すお金がない!!』と嘆く現地人も多い。

『全焼してしまった自分の家はどうなるのか?』と不安になる住民も多いのだ。

マウイに長年住み続ける現地の人の中で、保険に加入してない人も多く、家の建て直しの費用を職を失った状態で作れるのか不安しかないという声が多いという。

また、職がないまま、破壊された家に対して住宅ローンを支払わなければならないことなどを心配している住民もいる。

その上、もともと住宅不足である土地で、今後、何百人、何千人もの人々が『家が再建されるまでの避難できる場所さえ』見つけるのに苦労もしなければならないのだ。

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今回の山火事で、3,000もの家屋の建て替えが必要になる可能性があるという。

『小さな海辺の街』が金持ちの手で再開発を進めたらどうなるのか?


記事によると、現地の人は避難所で『大手土地開発業者が参入して、この焼け跡を再建の機会とみなしていることの方が心配だ。』と心情を語っている。

もし、マウイの住民が不動産を売却した場合、海辺の一等地で『まったく異なるタイプの再建』が行われる可能性が高いという。マウイに住んで5年間住み、観光会社を経営する人は『観光客と地元住民の間に常に緊張感があった』ということも伝えている。

きっと今までにも、マウイ島に住む人たちは、勝手にやってきた金持ちたちの金儲けのために『観光化』が進んで、街が変わっていく。そんな光景を見て、ずっと違和感を抱いていたのだろうと思う。

BOO
いい街は、観光に目をつけられやすい。しかし、小さい頃から見てきた街並みが変わっていく姿を見てくのは、地元民からしたら辛いものがあるだろう。

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