誰も買わない家を引き受けることで成長を遂げている不動産会社がある。
それがアメリカの不動産サービス会社『ホームベンダーズ(HomeVestors)』だ。
しかし、その裏には『認知症の高齢者』をエサにした闇があった。
『絶望的な家を買取ります。』で即決オファーする会社。
『私たちは醜い家を買い取ります。(We Buy Ugly Houses)』というキャッチコピーで絶望的な家を見つけてはすぐに即決購入していたホームベンダーズ(HomeVestors)という会社。
今までになかった画期的なサービスで最も成功したフランチャイズの一つとなり、急成長を遂げていた。
『家の価値を見積もって』と依頼した女性の悲劇。
そんな会社に依頼をしたのが、介護施設入居で家を売ろうとしていた一人暮らしのおばあさんだ。
彼女は広告に載っていたホームベンダーズ(HomeVestors) に電話し、自宅の価値を見積もってもらえないかと依頼。
その後、ホームベンダーズ(HomeVestors)側は、すぐさま10ページもの購入契約書を作り、あっという間に購買契約してしまったのだ。
息子たちは激怒!!母親は『認知症』であった。
この家の契約を後から知った息子たちは大激怒。
それもそのはず、彼女は認知症を患っていて交渉に取り組む能力がなかったからだ。
彼女は有能な簿記係として働いていたが、82歳になった今は自分の住む街の名前さえも言えなくなっているという病院の検査もあった。
結局、息子たちはホームベンダーズ側に対して、契約取り消しの『契約違反訴訟』を起こすハメになる。
相場の価格より『2千万以上』も安く買われていた。
結局、息子たち側が勝訴し、他で家を売却したがホームベンダーズ側の提示よりも23万5千ドル(約2千万近く)以上高く売れたというから驚きだ。
それもそのはず、家は決してひどい家でもなく、配管、寝室など新しく修理されたばかりでだったからだ。しかし、ホームベンダーズ側は一般的な価格よりも『2千万円以上』以上も安く見積っておばあさんと契約していたことがわかったのだ。
『キャンセルできない。。』高齢者の被害者が次から次へと。。
実はこのホームベンダーズのやり方に騙されたのは、おばあさんだけではない。
アトランタに住む78歳の男性は、日付を書くこともできない状態でもあったのに半分以下の価格で売買契約に署名しろと言われていたことが判明し、アリゾナ州77歳の女性は、金銭面な管理ができない状態で半額以下で売却する契約にしてしまいその後キャンセルできず車中で過ごすことになったという。
今も『ホームベンダーズ』はサービスを続けている。
ホームベンターズ側のやり方が悪徳なのは、異変に気づいた身内が一度キャンセルしようものなら『契約違反の訴訟』を起こしたり、タイトルを悪くするぞ(売主の評価を下げる行為)などと言って脅すからタチが悪い。
あるケースでは、病気で身体が不自由になり家から出ることもできない高齢男性を訴えたこともあるそうだ。
しかし被害が出ているのにも関わらず、今もHomeVestors はサービスを続けていて、不動産サービスのフランチャイズの大手として、売り上げを伸ばしているのが皮肉なものだ。
市などは、被害者に対して『特に高齢者の場合は、その場で契約書にサインしてはいけない。』という警告を出しているがそれしか今のところ対策はないらしい。