元旦早々、早く目が覚めるという絶好調の朝を迎えたので、近所にあるダイナーに行ってきた。
元旦から地元民しか行かないような小汚いダイナーが空いているのだろうか?不安だったが、行ってみると普通にオープンしていた。
行きつけの『近所の古いダイナー』に行ってみる。
元旦からなんとういう、晴天だ。
奇跡的に早く起きたら晴天で、しかも元旦。『もう一度自分の人生をやり直せる』という謎の自信に満ち溢れ、ダイナーの古ーい看板ひたすら眺めながら、引越し当初の気持ちを思い出していた。
いざ、『場違いの古いダイナー』の中に潜入。
この古いダイナー、地元の新聞によると『奇跡の場違いのダイナー』と呼ばれている。
ポートランドでも特に入れ替わりの激しく競争率も高い一等地(Divition st)に40年近くも変わらず、同じ場所にあることが『奇跡の場違い』と言われる由縁だ。
店の中も『昔ながらの歯科医院の待合室の椅子』と『生意気なウェイトレス』がまさに古き時代のアメリカのままで驚くそうな。
なんかヤケに混んでいた。
いざ、中に入ってみるとそこにはいつもとは違う、、、客で賑わう店内が。。
店が異様に混んでいたが、またいつもの席に案内される。
何度も来ているが、この席にしか座ったことがない。何かの偶然にしてはありがたくホッとする。
しかし、今日は一人で新聞を読んでいるおじちゃんがいないので、やはり元旦は休んでいるのだろう。
いつもの席で『うまくないコーヒー』を飲む。
最初は、いつも通り『全くうまくないコーヒー』からスタートだ。ウェイトレスのねーちゃんも変わらずそっけないのがたまらない。
このダイナーは40年前からメニューがほとんど変わっていないので、変な装飾とかもない。
私はいつものでっかい『ハッシュブラウン』と『パンケーキ』を頼む。これで、17ドルくらいだ。普通なら倍はする。
パンケーキのシロップが半分以上、あまってしまうのもいつも通りだ。
『実家のようなダイナー』は、それだけで価値がある。
正月はこうでないといけない。
今日はニューイヤーからの徹夜組がいて店内が賑やかだったが、実家に帰った懐かしさはいつも通りだった。
この店、40年以上もやっているのに『メニューをもっと改善しよう。』とか『流行りのものを取り入れよう。』とか、そういう邪念が全くない。だからこそポートランドの一等地にあるのに、そこそこ流行らない。
しかし、どんな時も行列もなくスッと入れて、いつもの光景で、いつも変わらないものを提供する場所があるだけで、安心して通ってしまう。しかも、それは歳を重ねれば重ねるほど、長く続く『普通な光景』というが一番難しくてありがたくて、こういう店に価値を感じる。