女の苦労は尽きない。そしてそれは男関係が主である。アメリカに住む女たちにとっては特に、男問題が死活問題にすらなることもある。アメリカに住む日本人の多くが滞在方法(ビザ)、仕事、お金、住む場所等で常に悩みを抱えている。
シングルの女たちはもちろん、既婚者は既婚者で夫や子供の問題、関係機関(ママ友、学校、医者に行く等々)との言語的・文化的違いでストレスにさらされたりする。異文化で家庭を築き、生きていくのは本当に大変なことだ。
夢見るアメリカ永住のチケット
シングルの女たちは男とデートを重ねては、「彼と結婚できれば、アメリカに永住できる」と学生ビザやH-1ステータスに関する悩みから解放されることを夢見る。
日本に帰りたくない、アメリカにずっと住んでいたいと願う女たちにとって、結婚は最も手に入りそうにみえる、アメリカ永住の未来へのチケットだ。
現実と理想の違いにぶつかる日々
しかしその夢は、「彼、日本人フェチだった!あたしのことが好きというよりも、日本と日本の女が好きなだけだった!」だとか、「やりたいだけだったんだけど!」「束縛すごすぎて意味わかんない!」「三十過ぎてんのにまだ○○してるなんてさー、日本的にはありえない。大人になれよって感じなんだけど」等々という理由で無残にぶち壊されることも多々。
日本の男には欲情しない、叶えたい夢がある、日本社会に疲れた、アメリカはなんか自由、等々色々な理由があると思う。理由はなんであれ、やっぱりひとりで頑張ってアメリカに必死に食らいついていくのは疲れる。食らいついていかないと、先が見えなくて、不安になり、あー誰かこの状況から救ってくれよ、と弱音を吐きたくもなる。
アメリカ生活で英語ができず悩む自分との葛藤
日本人の女は大抵、自分ひとりでアメリカにやってきて、コーヒーを注文するにもいちいちドキドキしながら、「ワンコーヒー、ぷりーず、、、」とうつむき加減に言ってみたり、ストレス解消に買い物に行って「レシートはバッグにいれときやすか?」という英語が聞き取れずにあたふたしたり、ビクトリアズシークレットでも英語がわからず、店員とのコミュニケーションを避けるためにサイズも図らず試着もせずにブラを買ってしまったりする経験を通じてたくましく成長していき、
というという境地を必ず通過するはずなのだ。
日本女を求め寄ってくる『阿保なアメリカ男』たち
その過程の中で女であれば、必ず「アーユージャパニーズ? ジャパニーズの女の子ダイスキー」という阿呆なアメリカ人男に声をかけられたり、道を通りすがりに「コニチワー」などと言われたりして、「はっ? なめんじゃねーよ、日本人だから何?何なの?」と、アメリカ人にはなれないと思い知らされているような、所詮自分はアジア人であり、メインストリームのアメリカに究極的には馴染むことはできないと思い知らされるようで悔しく思った経験がある(はず)。
学校で、仕事で、自分の意思が思うように伝えられずに打ちのめされたり、辱められたりして、コンチクショーと涙を呑み、それでも今更日本には帰れないとアメリカで根を張る決意を胸に、アメリカ人の男と結婚し、家庭を築き、アメリカで生きてやろうじゃないの! と意気込むシングルの女たちの覚悟はすさまじいのだ。
しかし、アジア人特有の小さなボディと幼く見える様相の内にそれを抱えているがゆえに、阿呆な男は「アジア人は優しい、日本人はかわいい、エキゾチック-」と勝手なイメージを日本人女に持って寄ってくる。
本当はThe アメリカ白人的な、安定した暮らしをする、信頼できる、優しい男と付き合いたいけど、よってくるのはヘナチョコアニメおたくだったり、金の無いヒッピーだったり、もてなそうなアジア人だったり、やりたいだけのラティーノだったり、OMG WTF is wrong with me?! 私のナニがいけないの?と、アメリカで生きる日本人の女なら自分だけの男と出会うことを一度は諦めようと思ったことがあるはず(だと思う)。
デーティングサイトでもなかなかうまく出会えない
デーティングサイトで素敵そうな人とデートの約束をし、実際会ったらもっと素敵だった。彼への期待は高まり、あぁこの人と結婚したらアメリカでこんな風な暮らしがしたいなと人生設計を立て(妄想)、さぁ次はいつ会えるのかしら?(わくわく)と思っていると、「これからどうする?うちくる?」「っっっっ!!!!!! 行かない!!!(はぁ怒?!)」というようなハートブレイキングな体験を潜り抜けてきた人が多いはず。
様々な悩み、野望と希望と夢と愛と未来を内に秘める女たちは、阿保なアメリカ人男に不幸ながら出会ってしまうと、
と世界の中心で叫ぶことになる。
共に人生を歩む人を探し出すことも、そしてその道をその人と一緒に歩くことも苦あり楽あり。アメリカに生きる女の道は、強く、たくましく、美しい。