今年は『面白そうなムダなことばかりやる。』という目標を掲げている。
最近は勢い余って『ファーマーズマーケット』のボランティアに応募したが、2ヶ月以上向こうから音沙汰なくて、『やっぱりクソニート、見捨てられたなぁ。。。』と思っていたら突然、謎パーティーの招待状が届いた。
招待状を見ると、ファーマーズマーケット関係者だけの秘密のパーティーだということがわかった。
土砂降りの中『おしゃれな不動産ビル』に辿り着く。
ノリで参加すると言ったものの、日が経つにつれて『パーティーだけに参加してきた図々しい外国人』として白い目で見られたらどうしよう。。というところまで妄想は進んでいた。
しかも、当日はどしゃ降りだった。
ますます嫌な予感しかしなかった。
『こんなおしゃれなビルでパーティーやってるはずないよな。うんうん。』と納得させ、引き返そうと思ったが、入り口の小さく貼られた張りを見て『あ、やっぱりここだ。。』と思った。
張り紙を見つけた時は、『宝探しのワクワク感』と『やっぱり地獄に行くのか。』という感情が入り混じり、初めて幼稚園に行く園児のような気持ちだ。
『引き返すなら今しかない』と言いながら進んでいく。
進んでいけば行くほど、地獄が迫ってくる。遠くからでも『仲間うちのノリ』が感じられる。
ああ、これはまずい事になったかもしれない。『い、いまなら引き換えせるぞBOOO!』という内なる声がどんどん強くなっていく。
緊張をほぐすため『赤ワイン』を飲む。
『帰りたい。帰りたい。』と呪文のように進んでいくと、神様からの応援メッセージなのか?酒があった。
『BOOよ、酒で景気付けをして一気に飛び込め。』という応援メッセージなのかもなのかもしれない。
その証拠に『赤ワイン』と『白ワイン』の2択しかなかった。謎パーティーだ。
入り口の『優しいおばさん』に助けてもらう。
部屋に入って呆然と突っ立っていると、優しそうなおばさんが声をかけてきた。
彼女は私を見るなり『こんにちは!あら、初めての方ね?』と挨拶してくれて、紙に名前を貼って胸につけてねと教えてくれた。彼女は、たぶん神様の使いのエンジェルかなんかだ。
年齢若めで『可愛い女の子ばかり』で緊張する。
エンジェルのおばちゃんと話した後、また『ぼっち』になってしまった。エンジェルのおばちゃんは、神の使いだけあって忙しいのだ。私ばかりにかまっていられない。
私は、もう出来上がっているグループの中に入る勇気もなく、赤ワイン片手にニコニコしていた。そして心は泣いていた。
しかし私は意外に努力家だ。
大量のハムを口に入れながらも、ひたすら誰かと目を合わせようとニコニコし、目が合えばニコッと笑って相手の隙を見て話しかけようとしていた。酒の勢いも手伝って『初めまして!BOOです!初めてなんです。』と言うと向こうは気さくに話してくれた。
初めて話しかけた女性は、20代後半の三つ編みの似合う『都会の赤毛のアン』という感じでとても可愛かった。そして彼女が『地元のファーマーズマーケット』を取り仕切るボスだったのだ。
赤毛のアンちゃんは、副ボスも紹介してくれた。彼女も20代後半でめちゃくちゃ可愛かった。もうファーマーズマーケットのツートップと話せれば、このパーティー制覇したといってもいいだろう。
ゲームが始まると『一気に楽しくなる』
みんなが気さくでいい人だと気づいた私はワインもあって完全に調子づいた。もう、入り口付近で怯えていた私ではない。そして、ビンゴゲームでまた一気に調子に乗った。
ビンゴの紙に書かれている質問の答えがYESな人ならその名前を書いていくというビンゴゲームだ。いろんな人に質問できると言うのがこの紙の役目だろう。
その中に『パーティー初めての人』『ペットを飼っている人』『他の言語を喋れる人』『ポートランド以外の出身の人』と項目があって、全てが私に当てはまっていてもっと調子に乗った。
結論『結局、スーパー楽しくなって最後まで居座る』
結論的にいうと、マジで楽しくなってしまった。
最初に赤毛のアンちゃんと喋れたのがラッキーだったと思う。
外国人は私しかいなくて『英語ネイティブじゃないから、ボランティア活動も迷惑かけるかもしれないけどよろしくね。』と言いまくったらアメリカ人たちは『そんな事関係ないわ!!』と言ってくれて本当に嬉しくなった。
心の中にどこかで『外国人』ということに引け目を感じていたが、『そんなの関係ない!むしろ一緒に寿司の企画しよう。』と言ってもらえたことが自信につながっていった。
帰り際もあいかわらず土砂降りだったが、私はもうあの頃の怯えるバンビではなかった。
自信と解放と希望に満ち溢れた『ショーシャンクの空に(映画)』のアンディーで、傘をささずにポートランドの豪雨を全身で爽快に受け止めていた。
こういう瞬間があるから、やっぱりポートランドが好きなんだよなぁ。と浮き足立ちながらも、ずぶ濡れで家路についた。そして、これを書いている今、私はなんて単純な奴なんだろう。と思う。