アメリカの自己破産は、日本に比べて激ゆるだ。
よく『アメリカの自己破産はメリットしかないよ。やったもん勝ちだよ。うひひ。』と言う話を聞くが、『怪しすぎるし、この愚か者めが。』と思って、見下していたんだが、詳しく調べてみるとマジだった。
アメリカ『自己破産の甘い汁』の秘密。
日本と比べると、アメリカの自己破産は、ちょー甘い仕組みになっている。
アメリカでは、自己破産しても『持ち家 75,000ドル以下(およそ1000万円以下の価値)』や『金(およそ200万以下)』なら守られる。という信じられないシステムがある。
逆に、日本だと自己破産した瞬間に『持ち家(価値20万以上)』『現金(99万円以上)』『その他資産(価値20万以上)』は撤収される。
さらに、アメリカには連帯して借金を追う『連帯保証人制度』もなく、どんなに家の価値が下がっても、家を返すだけで負債がなくなる『ノンリコース』制度まである(ただし州によるし、金利は高くなる)。どこまでも甘いっ!
またアメリカには、多重債務救済団体が多く存在し、場合によっては10万以下でやってくれるもあるそうな。
アメリカ破産しても『家に住み続けられる秘密』
アメリカで自己破産しても、住宅ローンさえ、払い続けさえできれば『家』はそのまま維持できるという条件がある。また、これにプラスして、自己破産しても、家の資産が75,000ドル未満 (夫婦の場合は 150,000ドル未満) だったら、家を取られずに済む。
例えば、クレジット借金チャラになった分、家のローンが払えるようになったよ!と言う場合は、家を取られずに済むのだ。
と思うかもしれないが、破産すると、裁判所の許可なしに差し押さえたり、借金を回収しようとしたりすることさえできなくなる。しかし、全てはその人の状況と裁判所の結果によるし、ほとんどの場合は差し押さえされるのが多い。
また、アメリカ市民以外はリスクを伴う可能性がある。
今後、トランプや保守派の共和党が政権を取り戻す可能性が少しでもあれば、以前トランプがやらかした『生活困窮者の履歴があれば、永住権を含む移民ビザを取れなくする。』という荒業をもう一度やりかねないし、計画的な匂いがすれば犯罪歴もついてしまう可能性がある。
アメリカ人の自己破産の理由は『医療費』が多かったが、近年は『失業』『離婚』に。
アメリカ人の自己破産の理由に『医療費』が大半だったのが、2005年以降、失業や離婚、予期せぬ出費などの理由に変わってきているのも現実のようだ。
また、アメリカでは、2万ドル(約250万)ぐらいで自己破産する人が多く、日本に比べてすぐに諦めて『自己破産』する人の多さに度肝を抜かれる。
アメリカの『自己破産』のやり方は2つある。
アメリカでの自己破産のやり方は2つほどある。
一つは、『チャプター7』という完全オワタ破産タイプで、借金を全部チャラにしてもらう制度。もう一つは、『チャプター13』という、収入もあるが『あの借金だけは返せないわ』という人が、一部の借金だけを減額してもらったりチャラにしてもらうというものだ。
アメリカ『自己破産』は一応デメリットもあるが、、
アメリカで『自己破産』するデメリットも一応あるようだ。
自己破産すると、チャプター7は 10年、チャプター13は7年、破産の記録として残るのだ。こうなると、クレジットカードは作れないし、家や車のローンがもちろん組むのが難しくなる。
しかーし、またまた甘〜いアメリカ。破産直後のカード発行にも抜け穴があって、銀行残高内のデビットカードは使えるし、これを使いながらクレジットスコア(信頼度)を高めていけば、車ローンも組むのもできちゃったりすることがあるそうだ。
日本では、自己破産は『罪』であり、アメリカは『再出発』
こうしてみると、日本の自己破産は厳しく、アメリカがゆる甘なことがわかる。
その根本的にあるのは、『人に迷惑をかける、頼る。』ということへの罪意識があるか、ないか。の違いだと思う。
日本の自己破産は『罪』であり、自己破産後になれない仕事はいくつもある。その点、アメリカには罪の意識はなく、※なれない仕事もないし、自己破産は、再出発(フレッシュスタート)だ。とよく言われる。(※アメリカでは、自己破産を理由に、仕事を提供しないことを法律で禁止している。)
日本は人に迷惑をかけて生きるのを嫌う文化で、アメリカは、困ったときはお互い様という文化がそういう感じにしているのだろう。これは前にも書いた『日本に比べると、アメリカの生活保護が受けやすい』にも当てはまっていると思う。