今、アメリカの若者たち、Z世代から人気を集めている企業がある。それが『SHEIN(シーイン)』という激安通販サイトだ。今や、爆発的な人気を誇り、アメリカ、日本の若者で知らない人はいない。
しかし、この『SHEIN(シーイン)』という企業は、突如現れた『謎の企業』として秘密のベールに包まれていて、そのファッション業界を驚かせる値段の安さに、怪しすぎるという声も広がりつつある。
ということで、今日は、そんな謎企業『SHEIN(シーイン)』の企業の実態について調べまくってみました。
謎の企業『SHIN』が急成長した理由はAIだった。
ずばり、『SHEIN(シーイン)』が、ここまで爆発的な成長遂げた理由は、『AIを駆使した商品数とデータ分析』だと言われている。AIでの売れる商品をすぐに叩き出すことによって、安く速く作るシステムまでも確立させたのが鍵だった。
『SHEIN(シーイン)』を使ってみると、まずはその商品数に驚く。1週間で10万点を超える新作がアップされ、徹底したAIによる消費者のデータ分析で、勝手に自分の好みの商品が永久に表示され、消費者が選ぶ手間もなく、表示される服をどんどん買ってしまうというものだ。
そして、いまや『SHEIN(シーイン)』は、推定時価総額は1000億米ドルを超え、1兆円企業の仲間入りを果たし、『ファストファッションの帝王』となったのだ。すげぇ。
もう一つの戦略『怪しさ(中国)』を隠したことが鍵だった。
『SHEIN(シーイン)』が成功したのは、表にはでないが、中国企業だということを隠したSHEIN(シーイン)の隠れたマーケティング戦略だと言われている。
『SHEIN(シーイン)』は、中国企業ということを隠すために、あえて中国ではビジネスを展開していないので、中国の誰もが「SHEIN(シーイン)を知らない」と答えるという。
違法労働などのイメージが強い中国企業は、アメリカの中でビジネスを展開するのは難しい。特に今のアメリカの若者たちは企業に倫理観を求める風潮にあり、『中国企業』だけで嫌煙する人も多く、それを回避するために『SHEIN(シーイン)』は、『中国臭さを隠す』という戦略とったのだ。
また、隠れた戦略はもう一つ。『輸入税』の穴だ。『SHEIN(シーイン)』は、米国輸入でかかる企業の『輸入税』を回避する為、個人として個別配送することにより、輸入税を逃れ、送料を抑えて発送しコストを抑えているのだ。
創業者の正体は『元SEOエンジニアの中国人』だった。
『SHEIN』の創業者は、謎に包まれている。世に出ている情報が極端に少ない。
少ない情報のそんな中で、SHEINを立ち上げた創業者は、元SEO のエンジニアの中国人、『許仰天(Chris Xu、Yangtian Xu)』という人物である。
秘密のベールに包まれる創業者『許仰天』という人は、1984年に中国黒龍江省生まれ、大学では情報工学を専攻し、その後、IT企業でSEO関連の元エンジニアとして働いた後、その知識を生かし、2008年にSHEINの運営企業である「南京希音電子商務公司」を南京市で創業したと言われている。
当初は、中国産のウェディングドレスが、アメリカでは数倍の価格で売られているのを知り、海外市場での販売を目指すが失敗、その後の2010年から『SheInside』という名前で、オンラインで中国からの直送モデルでビジネスを始める。その事業が、今の『SHEIN』の原型になり成功を収めたという。
アメリカで問題視!?徐々に暴かれていく『SHINの安さの闇』
ファストファッション業界の風当たりが厳しい中で企業を成長させた、『SHEIN(シーイン)』は、いい意味でも悪い意味でも注目を浴びつつある。
イギリスの放送局Channel4の報道によると、『SHIN』の下請けの工場内に覆面労働者を派遣し、撮影したところ、工場内の労働者は、月額4,000元 (約556ドル) の給料しか払われておらず、労働者は1品目につき、4セント相当だという。また、工場の労働者は、1日最大18時間働き、月に1日しか休みがもらえない現状で、従業員は衣料品を間違えた場合、日給の3分の2の減給されるという。
また、SHEINの下請け工場で働いている労働者の多くは、『移民労働者』で、貧しい農村から家族を養うために出稼ぎに来て働いている為、『悪徳な労働環境』から逃げられない状況にあるのだ。
ウイグル族の強制労働問題は、こちらの記事↓
日本でもニュースになってきた『SHEINの問題』とは。
日本でも『SHEIN』のデザイン盗用の問題などで最近ニュースになっていたのだが、やはり、『大量生産・大量消費』のビジネスモデルは、現代のサステナブルの風潮に逆行していて、今までの『ファストファッションビジネス』の形を継続していくことはできるのだろうか?と個人的に思っている。
ただ、今でも『安さだけを追求したファストファッションの企業』が、アメリカを初めとする先進国で受けられているのも事実であり、今まさに、消費者が求めている『倫理観』と『安かろうの価格』の狭間で、どちらの方が受けられるのか?これからの世代に問われていると思う。