前回の記事で、『フォーエバー21』の破産の記事を書いたが、『ファッション業界の企業イメージ』って本当に大事なんだな。と思わせる事件があった。それが『アバクロ』というブランドだ。
今日は、このブランドのCEOの失言が、企業までの存続を危うくさせる程、ブランドの価値を下げてしまったという事件を追ってみました。
NY生まれの高級ブランド『アバクロ』とは?
アバクロは、元は1892年にニューヨーク州でスポーツショップとして、主にキャンプ・狩猟関連用品を売っていた店だったが、経営の悪化が続き、1988年にリミテッド(現Lブランズ)により買収されている。
1992年に、のちに問題発言をする『マイケル・ジェフリーズ』をCEOとして迎え、カジュアルスポーツブランドとして、人気を確立していた。
ちなみに、この問題児CEOの『ジェフリーズ』は、パーティー用品店のチェーンを所有していた金持ちの息子して、ロサンゼルスで育っている。また、ジェフリーズは、妻子がいたが「同性愛者」 でもあるという。
『イケてる人気者白人だけのブランド!! デブは着るな。』金持ちCEOの失言。
Where Is Abercrombie & Fitch CEO Mike Jeffries Now? — But slowly - just like the LFO song - people started noticing that there was something off. https://t.co/7T42md2IQ6 #topless #MikeJeffries pic.twitter.com/aZe0RK8ncT
— Jam Frequencies (@jamfreq) April 20, 2022
そして、勢いづいていたCEOの問題児『ジェフリーズ』は2006年の当時のインタビューで、失言。やらかすことになる。
と暴言を吐く。ちなみに、アバクロは、アメリカでは珍しい『Lサイズ』の以上のサイズを売っていなかった。
で、この発言で炎上。ネット界を中心に大荒れに。。そりゃそーだわ。
アバクロ『人種差別』に批判が続失!!経営もヤバい事態に。
元々『アバクロ』は、『人種差別』で有名なブランドだったのが、今回の『CEOの暴言』により、スタッフとして働く内部からも『アバクロの白人主義の差別』に対しての訴訟が相次ぐことになる。
アバクロで働くためには、イケメン白人の外見が優遇され、昇格は白人が優先される。有色人種のスタッフたちは、裏の仕事ばかりされられてたり、シフトに入れてもらえないという声が続失し、差別にあった従業員からも訴訟される事態に。
この騒ぎに、各メディアでもCEO『ジェフリーズ』の人種差別が問題視されることになり、アバクロのイメージダウンも止まらなくなる。株価が年間で40%も暴落し、ついに『2013年最悪のCEO』に選ばれるまでになる。
とうとう、CEOジェフリーズは、2013年にやっとことの重大さに気づき、公的に謝罪するが時遅し。翌年の2014年12月9日、ジェフリーズは、CEOを辞任することになる。皮肉にも辞任後は、株価は8%跳ね上がる。
アバクロの服をホームレスの人寄付するデモ運動。
アバクロの『人種差別』に抗議するデモや不買運動が行われる中、『古着屋でアバクロの服を買い占め、ホームレスの人に配る』という運動が、ネットに公開されて注目を集めていた。しかも、『間違ってアバクロの服買ってしまったら、粗末にせずに、寄付しよう』と呼びかけている。なんとも地球にまでも考慮しているじゃないか。
日本にも進出したアバクロが、『香水臭い』と周りの店の反感を買う。
もともと『アバクロ』は、有色人種の国々への進出は毛嫌いしていたが、経営の悪化を受けて、世界各国へ急速に展開することになる。
日本で、初進出を果たした『アバクロ』は、半裸でマッチョなイケメン男性店員が客を出迎えるというアバクロ的なパフォーマンスに、店内には、強い香水がまかれており、日本でも『アバクロ』の独特の存在感を存分に振り撒いていた。
『全米で最も嫌われるブランド』アバクロの繁栄と衰退がNetflixで公開される。
アバクロのCEOは、『何気ない暴言』で役職までも失う事態になったが、多様性を重視されるアメリカで『ちょーー排他的なブランド戦略』は受け入れられなかったという結果だ。むしろなんでイケると思ったのかが謎だが。
そして、今年2022年の春に公開されたNetflixの新たなドキュメンタリー映画↑で『ホワイト・ホット: アバクロンビー & フィッチの盛衰(原題:White Hot: The Rise & Fall of Abercrombie & Fitch)』で、人気のアバクロが、いかに衰退していく様子を見ることができる。
爆音で香水臭くて半裸の店員が接客する奇天烈な店が何故あそこまで大きくなれたのかが非常にわかり易く語られてる。イケてる白人以外を排斥する事で人気ブランドの地位を勝ち取り、時代の変化と共にその排他主義で地位を失うという教訓めいた歴史は多くの企業人が知るべき内容https://t.co/lP04BSi9CB
— ISO (@iso_zin_) April 19, 2022