バークレーで心理カウンセラーを行うJunkoさんインタビュー!!

       
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Yuko

Dec.14.2015 - 08:07 pm

アメリカである程度の時間を過ごしてきた人で一度も孤独を感じたことがないという人は一体いるのだろうか?

自分の思った通りにコミュニケーションが取れずに打ちのめされたことがない人などいるのだろうか?

英語力が上がってコミュニケーションが取れるようになってもやはりそこには文化の壁があることを感じてやはり打ちのめされることがない人などいるのだろうか?

私はアメリカに来たいと強く願い、実際やってきた人にはおおざっぱにわけて三段階の「カルチャーショック」があると思っている。

一段階:アメリカへの憧れマックスフェーズ
「日本はもういい。アメリカに一生住みたい! いや、絶対住んでやるしマジで!」と鼻の穴を膨らませながら意気込む渡米前ないし渡米直後短期滞在中

二段階:自分なんで上手くいかないんだろう、“TH”の発音難しいよぉ…フェーズ:
やはり言葉が違う、文化が違うのだ、アメリカに馴染むにはどうしたらいいのだろう? と少し落ち込む

三段階:ってか結局あたし日本大好きだしフェーズ:
肩の力が抜け、自分はどう頑張ってもアメリカ人にはなれないことを認識する。「吾輩は日本人である。名前はもうある」と再確認。
アメリカ滞在が長くなるにつれ、もはや日本帰ってもアメリカに残ってもどちらでも良いんだけどさ、という心持ちとなる。アメリカへの執着心が薄れる。

どのフェーズでも悩みはつきものであり、「文化・カルチャー」が生み出すこころの葛藤や人間関係を複雑にする問題は常にそこにある。

今回は、「自分があの頃得られなかったサポートをしたい」とこころが少し疲れた人にやすらぎを与えることを自身の天職と語るジュンコさんにインタビューした。

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20年ほど前に英語勉強のためにご友人が当時住んでいたハワイへ渡米。そこからカリフォルニア各所、ラスベガス、マカオ等複数の街で過ごされた経験をお持ちで、現在はアメリカ人のご主人と2歳になるお子さんとベイエリアに暮らしているジュンコさん。

UndergraduateはUC Berkeleyの心理学専攻、Master’s DegreeはSF Stateのカウンセリング課程を修了後、6年かけて州認定セラピスト資格試験を受けるまでに必要なインターン時間3000時間を蓄積してきた彼女。これがどれだけの覚悟とコミットメントを要することか。

アメリカで踏ん張り、自分の道を進むために努力してきた彼女も かつて壁に当たったことがあると言う、「日本ではなんでもできるし、どんな話題でも話ができるけれど英語になると話題が限られてしまう、そして意図することがはっきりと伝わらない。更に文化の違い、“当たり前”が日本とは違うから。」

そのような体験から心理学に興味を持たれ、Undergrad修了後はリサーチアシスタントとして研究室に残り認知症を患う方々の研究に携わったそう。

そこで彼女は認知症を患う方々のご家族と密に関わり、ご家族はジュンコさんに様々なことを打ち明けるようになる。愛情はあってもやはり認知症という難しい問題を抱えた方と向き合わねばならないご家族には様々な葛藤があった。その経験からジュンコさんは1対1で問題を抱える人と向き合う臨床心理がやりたい、これが自分の天職だ、と大学院へ。

現在は、「日本人のママのグループを集めてサポートをしていきたい」、同じ文化をシェアする日本人女性をエンパワーしていきたいと奮闘されている。

「日本ではカウンセリングに行くなんて言うと偏見の目で見られてしまう。日本人の中には困っている悩みを人に言いたくないという文化や、“甘えるな、自分でなんとか乗り切れるでしょう”という文化がある」(By Junko)

昔アメリカで勇気を出して初めてカウンセリングに行ってみたら日本人のカウンセラーはおらず、英語が問題なく話せても文化の違いからうまくカウンセラーと話がかみ合わなかったのだ、とジュンコさんは語る。

「文化の違いは理解しあうための大きな壁。“わかって欲しい”“自分のことを理解して欲しい”というのが人間の欲求。どんな人でも欲するものは同じ」(By Junko)

そう、テーマは「文化」。ジュンコさんは文化の違いが引き起こすこころの葛藤に非常に敏感でいらっしゃる印象を受けた。

「文化」の持つ力をあなどってはならない。

生まれた場所、環境、生活習慣、言語など私達のアイデンティティは「文化」によって形成される。

そして「文化」は、異なる「文化」に出会った時に物凄い葛藤を生む。

しかも「文化」がやっかいなのは、それを変えるのことが非常に難しい点だろう。

だから悩む、「こんな私が悪いのか?」「どうしてこうなる?」と。

「何人であろうと人は人っ! ○○人だから○○だなんて私は思わないっつつ!(例:白人だからすごい・黒人だから怖い・アジア人だからダサイetc)」

などと言うのはキレイゴトであると私は思う。

先日私は「あいつアジア人のくせにマジで頭悪いんだよ。あんな馬鹿なアジア人他にいないわよ ( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \」

と言って、あるアジア系アメリカ人の男性をバカにしている白人のお姉さんがいた。

いやいやいやいやいやいや! アジア人のクセにって何?(苦笑)

と思ったが、いちいち目くじらを立てて話の腰を折るのも何なのでスルーしたが、そういうことなのだ。

文化はそこに属する人々にある特定のイメージを与える。

だからもしも今アメリカに住んでいて悩んでいる日本人の方がいるなら

それは完全にあなた個人の責任ではなく、「文化」が何かしらの混乱を巻き起こしているのかもしれない。

それを誰かと一緒に掘り起こしてじっくり考えてみたいのであれば、きっとジュンコさんは真剣にあなたの話を聞いてくれる。

以前インタビューさせていただいたリョウコさんも仰っていたが、ジュンコさんもまた普段の生活の中でぶつかる壁について触れられた。

アメリカに暮らしてみると暮らしに必要な「普通のこと」、例えば請求書の内容が違うことを電話で伝えたい、ちょっと電話して「どーゆーことなのよっ!」と苦情を訴えたい、そんなときでも「英語で電話」はかなり鬼門、かなり勇気のいることである。よいさっ! やっちゃるわ! いざっ! と電話をかけて要求を伝えても「すみませんが、あなたの言っていることがわかりません」などと言われた日にはかなり打ちのめされるものなのだ(私経験者)。

ジュンコさんもそのような体験から、「なんとかせねば」「しっかりとアメリカで生きていくために」とまずはコミュニティカレッジでしっかりと勉強することから始められ、現在こころのプロフェッショナルの道を歩まれている。

「今は度胸もついた、経験も重ねてきた、英語力もある。でも私が過去に苦しかった時にしてほしかったことをしてあげたいんです」(By Junko)

彼女の話を聞いていてまさに「千里の道も一歩から」という言葉がしっくりくるような気がした。3000時間のインターン時間、特にこの6年という時間、本当に自分を信じていなければ、自分の「天職」を信じられなければ、進むべき道を信じることができなければ簡単にコミットできるものではない。

ジュンコさんに心からのリスペクトを込めて。

ありがとうございました。



Junko Adachiさん

大阪府出身。一児の母。カリフォルニア大学バークレー校心理学卒。カリフォルニア州サンフランシスコ大学大学院カウンセリング心理学修士号取得。自身の文化の違い言葉の違い体験をきっかけに心理カウンセラーに。現在は非営利法人 Oak Creek Counseling Center にて対人関係に悩んでいる方、異文化の生活に困っている方、各種ストレスを抱えておられる方のため日英両語でカウンセリングを提供。サポートグループ以外でも個人やカップル向けまたは自己啓発ワークショップも随時受け付け。【Registered Marriage and Family Therapist Intern】5848 College Avenue Oakland CA 94618 ( TEL : 1-888-637-7404 ext.58  電話は英語の音声です。内線58を押されると当人につながります。電話の応答がない場合は恐れ入りますがメッセージをお残し下さい)

       

Yuko

カリフォルニア州立大学心理学士号、セクシャリティ・スタディ修士号取得、フリーライター・エディター・トランスレーター。セクシャリティ、人種、エスニック・スタディ、恋愛、結婚、女(ジェンダー)、セックスを学問しつつ語ります。2015年に長年付き合っていたアフリカン・アメリカンの男と結婚。