いま、アメリカでは『ストライキ真っ最中』である。(2023.10.5現在)
それも、全米にあるようなでかい病院で働く人たちのストライキなので、治療ができなくて困っている人が多い。いつまで続くかはっきり確定してないが、10月4日から6日ぐらいまでと言われている。
しかーし、大騒ぎしているのは円形脱毛症になったばかりの私ぐらいで、周りのアメリカ人は『まーしょうがないよな。だいたい3日ぐらいだろ。ハハハ。』という感じであまり文句を言ってない。
『な、なぜなんだ?』ということで、アメリカと日本のストライキに対する価値観の違いを考えてみようじゃないか。
アメリカで『命に関わる病院でもストライキ』が起こる。
今回、ストライキを決行したのはアメリカの大手カイザー病院で働く、の『救急救命士』『看護師』『呼吸療法士』『サポートスタッフ』などの患者ケアの人たちだ。(コロラド州、オレゴン州、カリフォルニア州、ワシントン州、ヴァージニア州、ワシントンDC)
2022年にもカイザー病院でストライキがあったが、今回の医療ストライキは75,000人ものアメリカ史上最大で予約電話もキャンセルされるという事態だ。(注意:ストライキが発生した場合でも、病院と救急部門は引き続き営業している。)
ストライキを受けてのカイザー病院の表明↓
カイザー病院側も、年末までに1万人の従業員を雇用する目標を設定していると出している。
目の前の責任よりも『未来の為に重要視』するアメリカ人。
最近、『アメリカ自動車労働組合』や『ハリウッドの脚本家』によるストライキもあったばかりだし、なぜこんなにもアメリカ人はストライキをするのか?
アメリカで起こるストライキのほとんどが『賃金と労働条件の改善』を要求するものだという。
アメリカ人たちはストライキをしなければ、企業は大きな利益を得る一方で、そこで働く労働条件は悪化するという危機意識がありストライキを起こすといわれている。
日本でのストライキが少ない理由に、『ストライキ』=『人に迷惑かける』=『悪』というイメージが出来上がってしまったのもある。『自己主張』=『自己中』という意識も強いと言われている。
また、日本人の方が情に流されやすく目の前の人を大切にするがために、将来の為の行動ができない姿もよくみてきた。まさにブラック企業で働く仲間を裏切れないので身動きができない負のループだ。
実際、日本でデモやストライキを会った時に『ストライキするぐらいなら働け!』『ストライキは迷惑!』という声が出るのも日本独特の文化だ。アメリカで『ストライキ自体を行うこと』に対する反対意見はまず聞かない。
『今』か『未来』かの意識の違いがストライキを呼び寄せる。
日本人の感覚からすると『将来の為にそこまで割り切れるのがすごい。 薄情者め。』という気もするが、アメリカ人たちは『今を犠牲にしても未来の為になるならやるべし。』とサクッとやってしまい退ける。日本人はそんんなに割り切れる人は多くないと思う。
個人的には、ストライキで困る患者や更なる人手不足苦しむ同僚をみたらストライキをやめてしまいそうな自信がある。
そう考えると日本人は『今の状況をこれ以上、悪化させてはならない族』が多く、アメリカ人は『今を犠牲にしても未来の為になるならやるべし族』が多いという国民の意識の差なのかもしれないと思う。
日本国民も声が無視され続ければ『迷惑行為』で強行突破もあり得るかもしれない。
最後に、あまり日本人がストライキをしないと書いたが『これからどうなるかわからないよな。』と思う。
今の日本をみてると、これ以上国民の声が無視され生活が苦しくなれば、人のことを考えている余裕もなくなる。実際に人を殺してしまったりしないと変えられない世の中になり、『ストライキ』をすっ飛ばして『殺人』で主張をするという日本人が増えるのが一番怖いと思う。普段、我慢している優しい人の怒り方が死ぬほどヤバいのはこれかもしれない。
アメリカも日本もどっちがいいとは一概に言えないが、アメリカと日本の思考が対局すぎて、たまに『中間ぐらいが一番ベストなんじゃね?』と常に考えている。
アメリカは日本の『迷惑かけるな精神』を少しぐらい取り入れるべきだし、日本はアメリカの『未来のために動く』ということも学んだらちょうどいいかもしれん。