成田空港に到着したのは夜の8時。
今から新幹線に乗っても間に合わない。(田舎組あるある)
野宿だけは避けたい。成田空港の近くに『温泉に入れるカプセルホテル』を見つけたので、今夜はそこに潜入してみようじゃないか。
ホテル送迎バス停が、、、ポツンと見放されていた。
『成田空港温泉』までは、無料バスが出ているらしい。
第一ターミナルから第二ターミナルに移動し、歩きながら『23番』というバス停を探すが、、24番から先が消えている!!23番はどこだ??
と思いきや、よく目をこすってみると奥に小さく『バス停』みたいなものが見える。。
まさか、、、あれなのか!?
バス停の横には『成田空港温泉行き』のスケジュールも書かれているので、やはりここで間違いないらしい。
このバス停に立っていると敗北感が堪らない。
『まじでオンボロのバスが来ちゃったらどうしよう。地獄行きでしかない。』と心配していたが、バスはちゃんとしていた。ほっ。
『いざ潜入!!』受付の塩ねーちゃんに怒られる。
バスに10分くらい揺られ、着いた先はそう。『成田空港温泉』だ。
まずはチェックインだ。
その後、、モジモジしながら、スマホのメールで確認することにして一件落着だったが、、
しかし、、その後、どこを見渡してもパスワードがわからなかったので、後でこっそり年配の受付男性に聞いたら『あ、こちらになります(受付の横の壁のQRコードをさす)ちょっとわかりづらいですよね。』と言われ、ホッとした。優しさんに救われた。
気を取り直して、カプセルホテルに行こうじゃないか。
ま、塩ねーちゃん、今日は彼氏と喧嘩して嫌なことがあったのかもしれない。
気を取り直して本日泊まるカプセルに行ってみよー。
塩ねーちゃんから貰った鍵をかざすと、女性専用のカプセルベット部屋が開いた。
『2段ベットの上』で悲劇の始まり。。。
カプセルホテルのベット、上と下どっちかを選べるのだが、私は調子に乗って上を選んだ。
しかし、これが悲劇だった。
疲れた足で、荷物を持って上を上がったり、降りたりが地味に命の危険を感じる。こんなことなら、下のベットを選んでいたらどんなに楽だったか。。
食べ物の持ち込み禁止!!『異例の一人たこ焼きピクニック』
実は、塩ねーちゃんからもう一つ怒られていた。
チェックイン時に『カップラーメンのお湯もらえませんか?』と聞いたら、『持ち込み禁止です!』怒られていたのだ。
持ち込み禁止を知らなかったので、私は空港で『カップラ』どころか『銀だこ』を買ってしまっていた。。
銀だこは今日のうちに食わんといけない。。知らずにカプセル部屋で食っている人も多いだろうが、銀だこの匂いがやばいし、もう塩ねーちゃんに怒られたくないし、できれば仲良くしたい。
その後、優しさんにもこっそり聞くと『保健所にとめられですよねぇ。すいませんー。』と言われたので外に出て急遽、『一人たこ焼きピクニック』を決行した。
日本の2月の夜風が冷たかった。またひとつ『銀だこ』に切ない思い出ができてしまった。
お楽しみの『温泉』へ!! いざ潜入。
銀だこピクニックでやられた体と心を温め直すには風呂しかない。
そうだ。風呂だ。と歩いていく。
露天風呂に行ってみると、今までのが全部フリだったんじゃないかぐらい塩ねーちゃんとの辛い思い出も、夜空の銀だこで冷たくなった体も全て癒してくれた。
長距離フライト後の温泉てこんなに気持ちいのか!
風呂も新しく綺麗だし、なんといっても外の露天風呂が絶妙な温度加減で最高であった。中にテレビまであって、夜空も見渡せた。
朝風呂にも入ってみたが、露天風呂は空いていなくて中にある風呂が一つ入れた。
早朝便の人が多いのか、ぼっち風呂を終始満喫できた。
『タトゥー』には超過敏な対応。
エレベーターには、どでかい文字で『タトゥーの人は3階の温泉お断り!』と書かれていた。
日本の特技『細かいルール』に感動する。
『嗚呼。日本に来たんだなぁ。』と実感する注意書きも多くあった。
アメリカに住んでいると、こんなに細かく書かれた注意書きってほとんどないので、目新しく感動を覚えた。
最後の方は、クラクラして読めなかったので、文字でちゃんと理解できる民族ていうのは本当に稀な能力だとしみじみ思う。
便所が遠くて夜中に迷う。
地味にキツかったのが、カプセル部屋とトイレが離れていたということだ。
トイレが遠いければ、遠いほど、行きたがるのが人間ってものだ。
朝方の『壁ドンっ!!』と話し声。
人生初カプセル宿泊は、夢か現実をさまよいながら寝ていた感じである。
入り口のスクリーン開閉の音『パタン、ガラガラガラ。。』という音がずっと鳴り響いていて、耳栓しても聞こえていたので熟睡はできなかった。睡眠の妨げは、ただの時差ボケだったという説もある。
また、早朝便を使う人が多く、早朝の4時ごろから結構ドタバタと話し声が聞こえてきた。
まーでもこれが『カプセル部屋』なんだと思う。やはり音に敏感な人はけっこう無理かもしれないと思う。
『掃除のおばちゃん』が日本の宝だった。
最後に、日本の宝を発見した。
朝早くから、テキパキ働く掃除のおばちゃんだ。
朝、そのおばちゃんから『おはようございます!』と元気よく挨拶されて、日本に来てから謎の孤独に打ちひしがれていたので嬉しかった。その後『お風呂、超キレイでツルツルでしたよっ!』といったらすげー喜んでいたので、朝から爽やかな気分で宿を後にした。