アメリカに『ぬか漬け』を持ってきていたのをすっかり忘れていた。
巷の噂では、アメリカの検疫で『ぬか漬け』が没収されるということを聞いていたが、半年後にトランクを開けてみたところ、普通に『ぬか漬け(パウダー)』が入っていて、今更だが無事に持ち込めていたことを知った。なーんだ。デマだったか。。
アメリカで『ぬか漬け』を作ってみる。
生まれてから日本を離れるまで『ぬか漬け』なんて全く眼中になかったし、『ぬか漬け』なんか、ばーちゃんがおかずに困った時に食う非常食レベルだと思っていた。
しかし、アメリカに来るとむしょーに日本の伝統文化が恋しくなるのか?日本帰国の時に『よし!アメリカで、ぬか漬けにチャレンジしよう』と変な意力が湧き出てくる。
嗚呼、超絶めんどくさいがやるしかない。
嗚呼。この時点で既にめんどくさい。
私は今どうして、ぬか漬けを作っているのだろうか?夕飯もろくに作らない自分は、もっとやるべきことがあるんじゃねーか?タックスリターンとか。。と思いながら、『糠漬けづくり』に挑戦する。マジでやる気がない。
『パウダーに水を入れればいいんだろ?』と、全く測ってない見せかけだけの計量カップの水をジャーと入れる。
そこら辺の『瀕死の野菜』を埋葬する
よし。ここはひとつ、アメリカらしい食材をいれてみようじゃないか。
と思ったが、冷蔵庫で悲鳴を上げていたのは『きゅうり』と『アボカド』だった。
しょうがないので救済することに。 いつから彼らが悲鳴をあげていたのかはわからないが『ぬか漬け』の到来は命拾いになったろう。
やる気がない彼たちを、ぬか漬け埋葬することにする。
よし。無事に埋葬した。これで1週間ぐらいおけば食えるらしい。
しかーし、1週間後に食った糠漬けは、死ぬほどしょっぱかったので全部捨てる羽目になった。
結論:もう2度とやらん。
しょっぱさの理由はつけ過ぎだ。
そして、ぬか漬けは毎日最低1回、かき混ぜなければいけない重圧もあった。 毎日、『あれ?今日はぬか漬け、混ぜたっけ?』と常に頭にあったので、病名『ぬか漬け心配性』だったんじゃねーかぐらい、常にぬか漬けのことを心配していた。
しかし、ある日『なぜ、私は食えないぬか漬けのために人生を捧げているんだろう。』と思って以来、何かの糸がプツッと切れたのだ。
あれ以来『ぬか漬け』に触っていない。今もずっと冷蔵庫のスペースを堂々とぶんどり、何食わぬ顔をしているが、もう本気で顔もみたくない。
そうだ。この調子で忘れよう。そしてタックスリターンの締め切りが迫っているのでやらないといけん。それに集中しようと思う。