はっちすたじお読者の皆さん、はじめまして。管理人さんと友人のよしみで投稿します。普段は、Noren Portland (http://noren3.com/) というサイトで記事を書いてるんですが、このネタはポートランドに全く関係ないので、こちらに発表の場をいただきました。
先日アメリカ南部のテキサス方面に行ってきました。テキサスと言って真っ先に浮かぶイメージはカウボーイじゃないでしょうか。カウボーイが食べるものといったらやっぱりステーキ。ということで、行ってきました。
ここはテキサス州北部の街アマリロにある老舗ステーキハウス The Big Texan Steak Ranch。どうですか、このコッテコテの外観。この外観だけで、肉汁したたるステーキのようにカロリー高めですが、このレストランの実力はこんなもんじゃありません。いちいちツッコんでたらキリがないので、お店の紹介は別記事に譲るとして、本題に移ります。
ここのステーキが美味しいだろうことは疑う余地もないのです が、今回のお目当ては マウンテン・オイスター です。へー、山なのにオイスター採れるんだ、と流してしまいそうになりますが、そこはツッコミどころなんです。隠語ってやつですね。なんだかわかりますか?
牧畜が盛んなアメリカ西部の伝統食。牛の放牧期間の終わりに一斉に行われる去勢で集められた大量の睾丸を、労働後のパーティーで食べていたのが始まりのようです。アメリカ人はホルモン系をあまり食べないイメージがあるのですが、これは食材を余すところなく利用する、とてもエコな食文化だと思います。
ということでオーダーしました。ハーフサイズの Mountain Oysters ($13)。黄金の玉の色にカラっと揚がっています。ほんとに見た目はカキフライっぽいです。
ここアマリロを含むテキサス州北部や、隣のオクラホマ州では、Calf fries(仔牛のフライ)とも呼ばれるようです。うん。わかります。牛のムスコですものね。
味の方は…普通に美味しいです。生臭さも一切なく、知らなければアレだって気付きません。断面をアップで撮ってみましたが、グロ要素もないですね。ただ、本物のカキフライみたいなトロっとした食感の部分と、コリコリした部分があるのが不思議でした。同じ部位なのに堅くなったり柔らかくなったりするんですね(意味深)。
個人的にはコリコリした部分の方が好きでした。ナンコツ唐揚げみたいな感じでビールが進みます。ちなみに入店は午後2時頃。朝ごはんを食べていなかったので、これはブラチン…あ、失礼しました、ブランチですね。
それにしても、ちゃんと美味しいんだから「山のオイスター」みたいなこと言わなくていいのになあ。ちょっとプレースタイルが似ている選手が出てきた時によく聞く「〇〇のイチロー」とか「××のダルビッシュ」みたいな寂しさを覚えます。
くらい言ってやってもいいんじゃないかと一瞬思ったのですが、そんな勝ち目のないケンカを煽るのもよくないですね。
煮て良し、焼いて良し、生でも美味しいオールラウンダーな海のオイスターに比べて、マウンテンの方は、正直言ってフライくらいしか食べ方がなさそう。さすがに生では食べられないだろうなあ。
とか考えながらつまんでたんですが、なかなか減りません。美味しいけど、飽きる味。そんな時に助かるのが、豪快に一本そのままで出てくる付け合わせのハラペーニョ。これをかじれば、シャキッとした食感と青みで口の中がリフレッシュされます。
そんなこんなでなんとか完食。ハーフサイズとはいえ、一人で完食するのはけっこうツラかったので、店を出るときには「もう当分食べることもないだろうな」と思ってたんですが、数日すると、また食べたくなってきました。タマに食べたくなるような、不思議とハマる味みたいです。でも今度もし来たなら絶対ステーキ食べる。