かつて、スタートアップの期待の星とされていたコワーキングスーペース大手の『WeWork』
当時『WeWork』は、あっという間にいろんな場所にできていて、勢いがすげーなぁと思っていたのが懐かしい。今日は、そんなユニコーン企業とされた『WeWork』があっという間に落ちていった理由を探ってみようと思う。

ユニコーン企業!!かつては『コワーキングスペースの先駆者』だった。
2008年、WeWorkはNYブルックリンで『環境に優しいコワーキングスペース』として誕生した。
不動産を借りて、共有オフィス スペースとして改装し、そのスペースを必要とする企業に短期間でレンタルするというサービスで注目を浴びていた。

そんなWeWorkは、金融業界でも『ユニコーン企業』と注目を浴び、10 億ドルを超えるような巨額の評価額を持つ非公開企業になっていた。ちなみに、かつてのユニコーンの例としては、Facebook や Google の巨大企業がある。
当時のスタートアップの価値は、早期に投資するベンチャーキャピタリストによって膨らむことが多く、周囲の誇大宣伝が高まっていた。

そして『歴史上に残る暴落』で終わる。
そんな絶好調な『WeWork』の崩壊はすぐに訪れた。
WeWorkは2015年から調達した資金は、約8,000億円にものぼっていたが、さらなる資金調達を目指しIPO(株式公開)への準備を進めたが、IPOは世紀の大失敗で終わる。
それは、IPOとともに、『ヤバイ財務状況』がバレてしまったからだ。
WeWorkがIPOの為に情報開示した事業内容があまりにもひどいもので、投資家から疑問の声が上がってしまった。実際、投資家の間では、WeWorkのビジネスモデルは費用がかかるのに収益化への道がほとんどないという疑問の声もちらほらあったというのだ。

熱意に酔った『裸の王様な創業者』が原因だったのか?
なぜ、ユニコーンとされた企業がここまで落ちぶれてしまっていたのか?
それは、創業者が自分に酔いしれ、誰の意見も聞かなくなってしまった『裸の王様現象』によるものだったという。
WeWorkの価値は、まさに誇大宣伝と創業者の熱意というパフォーマンスが大きく見せていただけで、社内の人たちは会社の方向性が間違っていることに気づいていたが従うしかなかったのだ。
その結果、WeWorkの経営陣は創業者の直感による意思決定にしがみつくしかなく、赤字を出していくことになった。

WeWorkを取材していたフォーブス誌の編集者のアレックス・コンラッド氏はこの会社の違和感に気づいていたという。
それは、WeWork社の社内で『カプチーノ』を頼んだのに『ラテ』がきた時だ。すかさず、『それはラテだよ!』と突っ込むとスタッフの1人が慌てて『ごめんなさい、ここではラテはカプチーノと呼んでるんです』と言ったのだ。この時、編集者は創業者がどれほど衝撃的な力を持っているか感じながらも『奇妙で根拠のない現実歪曲の瞬間だった』と語っている。

WeWorkはソフトバンクからの『多額の投資』を受けていた。
WeWorkは、ソフトバンクから多額の投資を受けていることで有名だった。ソフトバンクの出資額は約100億ドル(約1兆3000億円)に膨らんだとされて、当時どれくらいソフトバンクの孫正義から期待されていたことがわかる。
のちIPOの失敗の後、孫正義は『僕の責任。僕がWeWork訪問してほれ込んでしまった。一部役員や社員の忠告が何度もあったが、多額のお金をつぎ込んでしまった』と反省し、WeWorkの創業者のニューマンに対しても『僕が彼にあおった部分もある。彼以上に僕が悪いのではないか』と擁護する場面が見られたという。その後、創業者のニューマンは、現金をかき集めたものの、従業員は解雇され退職を余儀なくされ、最終的には2021年に株式を公開した。

スタートアップの闇!!多額の投資は『裸の王様』になりやすい。
WeWorkは『最初から資金が多すぎると企業は確実に潰れてしまう。』といわれる事例だったのではないかと思う。
まだ、基盤がしっかりしていないのにもかかわらず、多額の資金を手にしてしまうと本来の可能性すら失ってしまう罠が仕掛けられているのだ。
ただ、失敗した創業者ばかり責めるのも違うんじゃないかと思う。そりゃ、初めての事業がうまくいって多額の投資で期待されれば、誰だって調子に乗るし、自分の直感だけを信じないといけない時もあったはずで、むしろ『裸の王様』にならないほうが難しかったと思える。
そして、WeWorkの失敗で去った彼は、新たなビジネス不動産ベンチャーのFlow(フロー)のを立ち上げている。
