ポートランド

助け合いが半端ない!ポートランドの屋台(フードカート)で働いてみた、その実態とは。

3月 14, 2018

コンチワー。最近、ポートランドは、雨と天気が分単位でコロコロ変わって、もう、超めんどいので、一生、傘をささないことを決意しましたこの頃。どうお過ごしでしょうか?そして、ポートランドは現在、どこもかしこも、桜がちょー満開です(´`)

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で、今回、奇跡なことに『ポートランドの屋台で働けるゴールデンチケット』いただきました〜フッフー⤴︎⤴︎⤴︎!!!

実態に迫りたいと思います。

で、働かせてもらうことができたのは、ポートランドの名物、人気のフードカート(屋台)が立ち並ぶ中で、ひときわ、ボロボロできったねーでめだ立つ、『ベトナムと寿司の謎のメニューを解き放つ』のフードトカート。汚名返上のために書くと、あの輝くポパイ雑誌にもどさくさに紛れて載ったことがあるんだよ。( ´∀`)

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で、そのフードカートの店主はと言うと、過去に不動産のオーナー、のち、ナイキのエンジニアを経て、フードトラックのビジネスを始めた、異色の経歴を持つ、ベトナム出身のおっさん。ちなみに、奥さんは政府関係でのマネージメントの仕事をする超やり手の美人。おっさん、決してヒモではない。

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そして、そのおっさんのフードカートは、約150万で中古で買って現在オープンしてから八年目に突入、どこよりも、入れ替わりも激しい中で、最年長組のフードトラック。しかも、場所はダウンタウンで一番の人が集まる一等地。それでも一ヶ月、800ドルらしい(ガス水道こみ)

今のポートランドの市内(1ベットルーム月/約20万くらい)の相場を考えると

安っ!!!

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その上、今、毎週400人以上、ポートランドに移住してくるらしく、ポートランドの土地の値段がちょー沸騰しているのと、ポートランドにくる観光客が絶えない今、超あついこの街で、このレンタルの値段はちょー破格であーる‎( )

そのため、フードカートを始めたい人も多いのだが、実はフードカードができる場所は、決まっていて、その場所の取り合い。フードカートの場所の権利をもらうだけでも、300万を払う人がいるという。その他は、waiting list(空き待ちリスト)に登録も多く、どこかの店が撤退したのを見計らっての空き待ち状態の最短で一年以上待ちだとか。

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そんな中で、ポートランドでフードカート観光ブームが起こる八年も前から、お店を構えている、この亭主は本当にラッキーぃーじゃね?と思いきや、

しかしながら、何件もの屋台が立ち並び、競争率もハンパなく、二ヶ月で辞めてしまう屋台も多いそうな。ということを教えてくれた。ポートランド街全体ではおよそ500以上のフードカードのお店があるそうな。

そして、なんといっても、働いてみてから自分がすぐに驚いたのが、働き方とその精神。

特にこのおっさんの助け合い精神ハンパねぇ。

もともと、ポートランドという町は、人懐っこい人が多くて、競争というより助け合いでやっているのは、ポートランドに住んでみてすぐにわかっていたのだが、働かせてもらったところのおっさんが誰よりも、the 助け人。だということが働いてすぐにわかった。

おっさんは、いつも働きに行くと誰かしらと話をしているのだ。

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おっさんへの悩み相談の一部:以下


韓国フードトラックのおねーちゃん:お釣りの小銭を崩してくれ。⇦自分もお釣りの小銭がないのに鼻の下を伸ばして半分以上あげる。byおっさん

ギリシャフードトラックからの隣のおっさん:英語が描けないから、代わりに書いてくれ。⇦『cash only』も書けないのかよ!?と突っ込みながら、書いてあげていたby おっさん

ベトナムフードトラックからのお姉さん:豆腐のフライドライス食べたい。⇦準備中にもかかわらずすぐに作ってあげていたbyおっさん

2つの店を同時に持つモロッコフードトラックのやり手のお兄ちゃん:フードカートが閉鎖になるって本当!?と相談しに。⇦心配ない。そうなったら、通知が来ているはずだぜ。と励ます。byおっさん

クレープ屋のお兄ちゃん:肉まんくれ⇦お金はいらんよ。byおっさん


みんな、おっさん頼りすぎだろ!中には、自分でやれや。ていうものもあるが、おっさんは、誰もが知るフードカートの 『the 助け人』。突っ込みながら、全部に対応しているという。

しかし、彼が頼られるごとに、周りの人たちも、神なるおっさんが困った時の支援、お供え物がすごい。そのおっさんが助けるたびに、私はそのお供え物にあやかるので、自分であまりフードカートのものを買ったことがないのに、結構、タダで食えているという。なんともありがたい。

その中でも、トムヤンクンスープと隣のベトナミーズフードカートのお姉ちゃんが守ってきたエッグロールはマジで絶品だった。また食いたい。•̀.̫•́

そして、このおっさんの助ける範囲は、無限であるので、ホームレスの人もやはり、このおっさんのところに助けを求めにくる。おっさんとホームレスとのやりとりがたまらなく面白くて、ツボである。いろんなパプニングがあり、毎週見逃せない。

その中でも個性豊かなおっさんがたかられている仲良しのホームレスさんたちを紹介しよう。

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彼の名は、『タバコガイ』。毎日、20回くらい『タバコをくれ。』とおっさんにいうのである。その度に、おっさんがブチ切れて

『ねーよ!!もう俺はやめたって言っただろ!?(`Д´#)

て言われるたびに、しょんぼりして帰るのだが、また10分後には、同じことを尋ねにくるのである。そして、おっさんは、ついに、

『あいつ根性あるな。次来たら、タバコ、あげようーと(*´ω`*)

言っていた。おっさん、ツンデレかよ。なんか、そのタバコガイも突っ込みどころが多いけど、おっさんも負けてはいない。ちなみに、誰も、『おいおい。タバコやめたんじゃねーんかよ。‎( )』と彼に突っ込む奴は誰一人いない。

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もう一人は、超オシャレで一見ホームレスには見えない『J』という男である。写真を撮らせてくれと言ったら、一時間後にわざわざ、セットしてやってきてくれた憎めない奴である。

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彼は、呼んでもいないのに、

『あっ!俺のこと呼んだでしょ?きたよー!えへへへ。(´`)』

ていうのである。そして勝手に掃除をし始めて、金を要求するおせっかいな男である。

その度に、おっさんは、

『よんでねーよ!(`Д´#)』

とブチ切れながら、結局、タバコをあげたり、『ありがとうな。』と言って掃除代を払っているので、結局、仲良しである。やはり、おっさん、ツンデレであーる。

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ちなみにこの男は、最近見なかったけどどうしたの?とおっさんが聞くと、最近まで『バケーションランド』という名の刑務所に言っていたよ。と教えてくれた。理由は、警察の車をぶつけたからだそうな。彼曰く、バケーションランドというのは、三食付きでのんびりできるから、彼がそう呼んでいる。他、確かに。刑務所に入ってたら、三食困らなくてバケーションだよね。ていう納得。

こんなんで、ある意味、いつもおっさんの店のフードトラックは、雑用で非常に忙しい。

ちなみに、メイン以外の雑用で、忙しいおっさんの料理はというと、予想を裏切って、結構おいしいのだ。

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彼が作る本場のベトナム料理のベトナミーズサンドイッチ(バンミ)とビーフフォー(ベトナムのライスヌードルスープ)はめっちゃうまい。寿司は、予想どうり?決してうまくはないので、注意が必要だ。あくまでもベトナム料理が絶品なのだ。w

私がオススメするのは

『軟殻カニの唐揚げのベトナミーズサンドイッチ7.5ドル(春夏限定)』

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[ webサイトを見た!と言ってくたら、このカニのサンドイッチ1ドルOFF!!]

前に紹介したバークレーのバンミ(ベトナムサンドイッチ)もうまかったが、このおっさんのバンミ(ベトナムサンドイッチ)に方がはるかに美味しい。チキン(5ドル)もうまいが、アメリカでよく食える『殻ごと食べれるカニ(soft shell crab)』のベトナムのサンドイッチはどこにも売ってないだろうと思う。ダブルで日本では食えないだろうと思うのでめっちゃうまい。歴代のバイトの仲間もたまに食べに来るほど。

おっさんの店は、ほぼ現地のリピーター。宣伝は口コミのみ。

なぜならば、見た目のフードカートがめっちゃぼろくて落書きされ放題という見た目の上に、メインのベトナム料理ではなく、怪しい寿司の写真がここぞとばかりに貼ってあるため、

私が観光客だったら、見た目から、絶対買わないスルー店であるのは間違いない。

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前職、ナイキというのにもかかわらず、マーケテンングという言葉を全く知らない男がここにいる。

しかしながら、おっさんが身をもって、

『助け合いは、良い連鎖を呼んで、必ず自分に返ってくること。』

ということも証明してくれた。おっさん自体がそれを知っているかどうかは不明だが、彼と一緒に働けば、一目瞭然で、彼が助けている以上に、彼を助けてくれる人も多く、それがいいコミュニティを作り、彼のフードカートに回ってきている。

『きったねーし、一番ボロくて、しまいには、怪しい寿司の写真まで、飾ってある。マーケティングという言葉を知らないお店に、わざわざ人集まって店が長続きするはなぜか。』

その秘密は、彼のお店で働いたらすぐに、わかる。

彼の店は、求人募集をしなくても、人手が不足していたら、ふと昔いた人が戻ってきたり、誰かしらおっさんに紹介してくれる。そして他に何か困ったら、おっさんが助けてきたように周りの同士が助けてくれる、そして、現地のリピーターの口コミだけで、彼のベトナム料理を食べに来る。

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それが、彼が入れ替わりの激しいこの業界で、長年やってきた秘訣なのかどうかは、わからないが、何よりも、彼がここで働いているのが幸せらしいし、それが彼の人を引き寄せるパワーなのかもしれない。何より自分が、パワーが欲しい時、大切なものを失いそうになった時、おっさんの元へ足を運んでしまう自分がいる。結構、迷惑らしい。w

私にとって、サンフランシスコから、ポートランドに引っ越してきてのゼロからのポートランドでの生活は、今まで、自分の信じてきたものが完璧に壊されて、めちゃくちゃ苦しかった。それの詳細は、いずれ書こうと思うが、おっさんと働いてみて、確実に自分の働き方が変わった。今でも、忘れそうになると、いつでもいい方向へ引き戻してくれる。おっさんのおかげだ。

『どんな仕事であれ、自分自身がそこに幸せを感じなかったら、働くべきじゃない。自分の時間は二度と戻ってこない。』 byおっさん(ドヤ顔)

ポートランドの一番きたねーフードカートでたまに店番しながら、おっさんと長話をしながらケラケラ笑って何か食っている奴を見たら、『おい、ブーかよ。仕事しろよ。』と言って、おっさんの蟹のバンミを食って行ってほしいと思う。完。

今回働いた、お店情報

Rolls Plus Grill
SW Alder St & SW 9th Ave, Portland, OR 97205
(503) 267-3105

webサイトを見た!と言ってくたら、カニのサンドイッチ1ドルOFF!!注意:時期によっては新鮮なカニが手に入らないので売ってないこともあります。

20名からの、パーティーベトナム料理のケータリング(一人10ドル)もしているよ。(デリバリー付き)

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