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アメリカ本格『シュトーレン』レシピ-クリスマスに食べたいお菓子- popoさんの食コラム♡連載 -

12月 18, 2018

またまたご無沙汰してしまいました。テキサスのpopoです。もうすぐわくわくするクリスマスですね。

ですが、まだクリスマスはこれからだというのに何だかわたしの中では、すでにクリスマスが終わったような、そんな気分なんです。というのは、今年は11月の終わりごろからドイツのクリスマスブレッド、「シュトーレン」づくりの準備と試作、その後はせっせと30個以上ものシュトーレンを焼き続け、すでにやり切った感で一杯だから。(笑)

日本には色々な種類のシュトーレンがあるみたい。

ここ数年(いや、もっと前からなのかな??)、日本では「シュトーレン」が大人気ですよね。毎年この時期になるとインスタグラムなどに、それはいろいろなシュトーレンの写真がアップされていつもそれをうらやましい気持ちで眺めていました。

もともとは伝統的なドイツのパンですが、一度日本人の手にかかると、それはどんどん進化を遂げ、アレンジされていきます。和風の抹茶味になっていたり、栗がごろごろと入っていたり... それぞれのパン屋さんが、趣向を凝らしたシュトーレンを販売しているんですよね。

食べてみたい!けれど、もうながーい間、年末に日本に帰ることはできないでいるわたしは、そんなおいしそうなシュトーレンの写真を、指をくわえて眺めるだけ。

アメリカのベーカリーには、シュトーレンがない。

アメリカにも、トレジョやコストコなどに、大量生産されたシュトーレンは売られていますが、そういうのにはどうしても惹かれず... 全然美味しそうに見えないし、何よりいろんな添加物がたくさん入っていて、食指が動きません。

残念ながら、そこそこの都会であるはずのわが街オースティンでは、そんな大量生産されたシュトーレンしか見かけないのです。

あるところにはあった、シュトーレン!

だけど、ところ変われば... です。去年のクリスマスに、オットの実家のLAを訪れた際に、モントレーまで車で小旅行に出かけたのですが、その際に途中で立ち寄った、サンタバーバラのベーカリーで、シュトーレンが売られているのを発見。

そして、その後立ち寄った、ビッグ・サーにある素敵すぎるお店、「ビッグ・サー・ベーカリー」にもシュトーレンがひっそりと置かれていました。

そのお値段、なんと35ドル。(@_@)

結局、その両方を買いました。どうしてもアメリカのベーカリーで売られているシュトーレンの味を、知っておかねば、と思って。

結果、どちらのシュトーレンも、とってもおいしかったのです。そんなわけで、あの味を基準に、今年はこれと同等か、これよりおいしいシュトーレンを必ず作ろう!って、決めていたのでした。

セレブも訪れる、ビッグ・サー・ベーカリーで、35ドルという強気のお値段で売られているシュトーレン。それと同じくらい美味しいと思えるものが自分で作れたら、それはなかなかすごいことじゃない?

シュトーレンの準備と試作開始。

せっかく手作りするのだから、少しオリジナリティを出したいもの。一つ目のこだわりは、「いろいろな種類のドライフルーツを使う」こと。

クランベリー、チェリー、ゴールデンレーズン、レーズン、デーツ、それからフィグ。まずはこれらのドライフルーツを買ってきて、たっぷりのラム酒に漬けました。

本場のレシピを見ると、一晩漬ければよいと書いてあったけど、これもこだわりで、一週間以上じっくりと漬けることに。

それからいよいよ試作を開始。

日本のレシピ、英語のレシピ、両方をさんざん検索してよさそうかな、と思うレシピをいくつか試してみました。そして、実は憧れのビッグ・サー・ベーカリーのレシピブックも手に入れていて、その中にシュトーレンレシピも載っていたので、それも試作。

このレシピが結構手間と時間のかかるものだったので、もっと簡単なレシピと味の差がそれほどないようなら、簡単な方でいいや、と思っていたのだけど、いくつか試作した結果、やっぱり一番おいしくて納得が行ったのは、この手間のかかるレシピ... だったのですよね。

最初に発酵種を作ってからさらに2度発酵させるし、バターやドライフルーツがたっぷりの生地はとてもずっしりしていて発酵に時間がかかるので、半日がかりの作業です。

中に混ぜ込むマジパンも、自分で作った方が安上がりで美味しいことが分かったので、最終的に、手作りすることにしました。シュトーレンの販売をすることに!

手間と時間をかけて出来上がった、自慢のシュトーレン。たくさんの人に食べてもらいたくなってきました。そこで、友人経営のカフェでイベントが行われる際に、その一角で、シュトーレンを販売させてもらえないか... と、軽い気持ちで聞いてみたところ、「いいよ!」と快諾。(本当に感謝)

イベントは一週間後だったので、そこからは毎日シュトーレンづくりに明け暮れて、30個以上を焼き上げました。(^^)/

そんなに売れないかもしれないけど、日持ちのするものだし、残ったら友人や家族におすそわけしてもいいしね、と自分に言い訳をして、不安な気持ちをかき消しつつ...

実は公の場でパンを売るのは初めてだったので、緊張と不安で一杯だったのです。だけど...結果的には、ありがたいことに、完売!

お友達が買ってくれたり、ブログを見てくれた方が来てくださったりもありましたが、他にも、「昔おばあちゃんがクリスマスには必ず作ってくれていたの。懐かしいわ。」といって買ってくださった方や、試食をして気に入ってくださった方なども多くいて、本当にうれしかったです。

日本の方たちにも「とってもおいしかった!」とほめていただいて、なんだか涙が出そうでした。たかがベークセールくらいで... と思うかもしれませんが、わたしにとってはコンフォートゾーンから抜け出すための、第一歩で、ちょっとした勇気が必要でした。

でも思い切って行動してみて、本当によかったなぁ、と思っています。少し自信がついたし、買ってくださった方への感謝の気持ちで、心が温かくなりました。そんなわけで...ちょっとした一仕事を終えたので、良い気分でクリスマスと新年を迎えられそうです。

皆様もどうぞ良いホリデー、よいお年をお迎えください。来年も引き続き、popoのコラムをどうぞよろしくお願いいたします。


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